尾瀬回遊日記

　前回の尾瀬沼でのリベンジと今年の尾瀬締めとして、アヤメ平入りを決めたのは、2日前のことである。しかし、年末から年度末にかけての時期は、仕事が忙しいので日々の疲れが残るものの、好天の予報なので”行くしかない”の勢いで、戸倉に向けて車を出した。

　富士見下には、午前1時30分に到着した。駐車スペースには、まだ１台も駐車しておらず林道のアスファルト上にそのまま駐車した。携帯の目覚ましを3時にセットして仮眠を取ることにしたが、なかなか眠ることが出来ずに3時を迎えた。早々に出発の準備を済まして入山した。空は満天の星、星については詳しくないが3つの星が並んでいるオリオン座は確認できる。漆黒の林道をヘットライトの明かりだけを頼りに登っていく・・・。気温はかなり低いようで砂利道が凍っていることから慎重に足を進めるが、日の出前にアヤメ平へ入りたいので早足でダラダラと登っていく・・・・・・・・。仕事の疲れと睡眠不足からいつもより疲労が激しい、スノーシュー用に持参したダブルストックをたまらず使用する。田代原を過ぎてから徐々に雪が多くなってきたが、アクアさんの事前情報通り轍があるので幾分歩きやすい。富士見小屋に到着すると、白尾山の方角が若干明るくなってきているので急いでアヤメ平を目指すこととした。雪の状態はフカフカの新雪ではないのでスノーシューは必要ないが、踏み抜きが心配なのでスノーシューを履くことにした。富士見田代に来ると更に空が明るくなってきたので、アヤメ平を諦めて富士見田代（凍結した富士見池）で朝の撮影をすることにした。今年の尾瀬では朝焼けに出会うことが出来なかったので、最後の尾瀬に朝焼けを期待してその時を待った。赤い日が昇り始めた、綺麗な朝焼けにはならなかったが、赤い朝日が燧ヶ岳や凍結した富士見池を照らして幻想的な景色に息を呑み、夢中でシャッターを切った。しばらくすると朝日は明るいオレンジ色に変化した。

　ひと通り朝の撮影を終えるとアヤメ平を目指すことにした。アクアさんの事前情報よりかなり雪が少なくなっている。アヤメ平の稜線手前から木道が出ていて歩きやすい。稜線からは富士山も見られた。アヤメ平のベンチに着くと荷物を下ろしてひと休み・・・・。ベンチに仰向けで寝て空を仰ぎ見ると、風もなく、青い空が気持ち良く、まさに天空の楽園と呼ぶに相応しい。よく考えるとこれほどの好天に恵まれたアヤメ平は初めてではないだろうか。

　ベンチでまったりしていると、横田代の方から来た小豆色のカメラザックを背負ったカメラマン（富士見小屋の写真やコンテストで有名な高庭さんと思われる）と談笑したあとカメラマンは富士見峠に方に降りていった。次に、青いザックの人（たけさんと思われる）と談笑・・・・。流石にこの時期に尾瀬に入山する人たちは重度の尾瀬病患者であり、尾瀬の話に会話が弾み楽しい一時を送ることが出来た。

　アヤメ平での撮影を終えると暖かいドリップコーヒーを入れて遅い朝食をとった。時間が9時を過ぎていたので富士見小屋へ移動することにした。途中の稜線で2名のいカメラマンとすれ違った、直感的にアクアさんとamaneさんではないだろうか？と思ったが、面識もないし間違えると恥ずかしいので道を譲ってくれたお礼をして別れた。富士見小屋に着いてひと休み。今日は、てばまるさんとmeaさんが入山するはずなので、富士見小屋で待って談笑をとも考えたが、仕事の疲れと睡眠不足で疲労感がピークを迎えていたので早々に下山することにした。

　富士見峠からの林道を淡々と下っていると大きなザックを背負った、てばまるさんとmeaさんとばったり出会った。てばまるさんは、小生がまさか来ているとは知れずびっくりしている様であった。しばしの談笑の後別れた。てばまるさんは、テント泊ということなので携帯が繋がるアヤメ平からのブログの更新が楽しみである。
　一人黙々と林道を下り続け、12曲がりを過ぎると富士見下のゲートが見えてきた。今年の尾瀬の最後が近付いてきた。ゲートを過ぎて振り返る、色々な風景と花々を魅せてくれた尾瀬と尾瀬仲間との出会いに感謝して、今年の尾瀬回遊を締めることにした。「ありがとうございました。また、来年のゴールデンウィークに逢いましょう」

　おわり・・・。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　