2008年5月15日〜16日/雪解けの尾瀬ヶ原
 15日;鳩待峠
(6:00)〜山の鼻(7:00)〜龍宮(11:00)〜見晴(11:30)〜東電尾瀬橋分岐〜見晴
     〜龍宮〜ヨシッポリ田代〜龍宮
(15:30) 龍宮小屋 泊
 16日;龍宮小屋
(7:45)〜ヨッピ〜牛首三又山の鼻(9:45)〜鳩待峠(11:30)

雪解けの尾瀬ヶ原を満喫入山口から残雪があります。人気のない平日の鳩待峠
 尾瀬ヶ原湖は、雪解け後の短い期間のみに出現する幻の湖である。週末にしか尾瀬に行けない会社員には見る機会は少ない。しかし、5月15日は会社の創立記念日で毎年休みとなるものの、これまで尾瀬入りの機会には恵まれなかった。今年は、15日が木曜日で翌日を休みにすれば連休となることから、急遽前日の夕方に龍宮小屋に予約を入れて尾瀬に行くことにした。
 水芭蕉シーズン前のこの時期は、まだ自家用車で鳩待峠に入れるのでそのまま直行した。駐車位置は、GWの時に駐車した所が空いていたので同じ場所に駐車することにした。
 仮眠を取って辺りが明るくなるのを見計らって出発する事に見本園、猫又川の赤シボまだまだ残雪が豊富です。
した。
 鳩待峠から山の鼻の木道は、雪に覆われており慎重に歩みを進めた。特に靴の裏に雪が着いている状態で木道に乗ると滑りやすいので、最初の一歩目は注意した。雪解けの進んだ斜面にはイワナシの蕾が確認できる。この陽気なら帰りには開花しているかもしれない。何時もの清水は雪解け水で水量が凄い。木道に雪は多いものの、危険な箇所は雪かきがしてあり安全に歩くことが可能だ。しかし、慎重にルートを選ばないと踏み抜きの恐れがあるので、ぼっかさんが付けたと思われる”スパイク長靴”の足跡をトレースすれば間違いない。テンマ沢の水芭蕉は見頃を迎えているが、帰りにゆっくり見ることにした。川上川の橋を渡れば山の鼻はもうすぐだ。山の鼻についたら、とりあえず見本園を一周した。尾瀬ヶ原でも見本園と山の鼻近くの上田代は雪解けが遅く、水芭蕉の見頃も他の地域より遅いことが雪解けの状況からも示唆できる。見本園は殆ど雪に覆われており、猫又川の辺りは雪解けと同時に現れる”赤シボ”が現れ始めている。
上田代は残雪があります。燧ヶ岳は雲の中・・・・上田代のベンチで雲が晴れるのを待ちます。 見本園を一周して上田代に向かう。上田代の上の川上川の橋手前は、残雪が多く木道が埋まっていることから木道脇の雪面を歩いた。上の川上川を渡ると雪は無く、昨年の秋に施工していた新しい環境省木道の上を歩いた。暫く歩くと今回の目的である上田代の尾瀬ヶ原湖が見えたきた。後ろを振り向き、至仏山の水映を確認しながら歩みを進めるが、至仏山に雲がかかり、写真的にはイマイチだ!今日は、龍宮小屋泊なので時間もあるし、至仏山の雲が晴れるまで、2本のシラカバ越しに至仏山が確認できるベンチに座って好条件になるのを待つことにした。
朽ちた木道と至仏山朽ちた木道と燧ヶ岳雲がありますが、山頂が見えたので撮影開始です。 平日ということもあり閑散とした尾瀬を歩くのは新鮮だが、週末の人気の多い尾瀬が染みついている小生には少々心細い気もする。ベンチには、先客がおり好条件になるのを待っているようだ。お互いカメラ愛好家と言うこともあり直ぐに会話が始まった。群馬県の地元で、尾瀬へは鳥や昆虫を中心に撮影に来ているようだ。当然、今日のお目当ては、小生同様”尾瀬ヶ原湖”のようだ。談笑していると至仏山の雲が晴れ始めた・・・・尾瀬ヶ原湖の至仏山の水映が美しい!風が治まるのを待って撮影したが上手くタイミングが合わないものである。燧ヶ岳の水映も・・・燧ヶ岳にまだ雲の中なので帰りに期待することにした。牛首ではワタスゲの花を確認した。今年は、個体数が多く、密集して咲いているので期待できそうだ。三又のベンチで一休みしてから下の大堀川を目指して歩いた。最近新設される木道は、植生の保護を目的として高架タイプとなっているが、木道の風景としては昔の方が好い感じだ。三又から下の大堀川までの木道も痛みが激しいので、近いうちに高架タイプに新設されることを鑑みると、木道を主役に尾瀬の風景を撮っておきたくなった。
今年は良いぞ!ワタスゲと至仏山霜焼けの水芭蕉と至仏山ヤチヤナギの春龍宮の水映 










開花が待ち遠しいザゼンソウ見晴からの至仏山ヨッシポリ田代の水芭蕉 下の大堀川の水芭蕉は、既に小さいものが出始めており例年より一週間度早い感じがした。ここは尾瀬を代表する水芭蕉の撮影ポイントなので、少し変わった構図を考えて近くの早咲きの水芭蕉を選んで撮影してみた。しかし、早咲きの水芭蕉は霜に焼かれて見栄えが悪い。雪解けの龍宮付近にも小さな湖があり、燧ヶ岳の水映が美しい!。龍宮小屋に到着し、チェックインを済ませると部屋番号は206号だった。一人で206号の大きい部屋が使えるのは流石に平日だ。赤田代でリュウキンカが咲き始めていると言うことなので、荷物を龍宮小屋に預けて見晴〜赤田代まで散策する事にした。下田代も雪解けが進み、六兵衛堀付近に多少の雪が残っているだけである。ザゼンソウは、出始めでまだ開いていないが今にも咲きそうだ。弥四郎小屋が見えてきた。弥四郎小屋で清水を補給して赤田代に向かうことにした。見晴から赤田代の間は思った以上に雪が多く、踏み抜きに注意しながら進んだが、東電尾瀬橋の分岐に着くまでに2回も踏み抜いてしまった。とりあえず、分岐付近のリュウキンカだけ確認してから戻ることにした。
 龍宮まで持ってきたが、夕刻には時間があるので、ヨッシポリ田代の水芭蕉を確認することにした。龍宮からヨッピ間のワタスゲも個体数が多く、牛首と同様にこの付近も期待できそうだ。ヨッピ吊り橋を渡ると超高架タイプの木道が遠方に確認できる。何でも熊さんが木道の下を歩けるように工夫したためだ。しかし、湿原と人との距離も離れてしまい残念な木道である。ヨシッポリ田代の水芭蕉は、小さいのが出始めいるが、見頃は月末頃の感じだ。月夜の景鶴山
 龍宮小屋に戻ると本日の宿泊客は、小生も含めて写真愛好家3名だ。夕食後は、夕景の撮影タイムだが、雲がなく焼けることは無かった。夜は星の撮影に出かけたが、ヘッドライトが必要ないほどの月明かりで、星の撮影と言うよりは月夜の風景となった。残雪の至仏山や燧ヶ岳、景鶴山を一通り撮り終えると消灯時間の9時が迫っていたので宿に戻ることにした。
 翌日は、3:30分に起床し撮影ポイントに向かうものの、雲が多く朝焼けは期待できない。とりあえず、下の大堀川周辺を移動しながら撮影していると朝食の時間がきたので小屋に戻ることにした。
 朝食後に出発の準備を済ませながら小屋主さんとの談笑。水芭蕉と美味しそうな行者ニンニク鹿のことや水芭蕉の見頃のこと、ワタスゲのことなど色々な話ができた。帰りは、ヨッピ経由で牛首三又に向かうことにした。原のショウジョウバカマは、葉は確認できたが花はまだ先のようだ。ヨッピ川と下の大堀川の合流地点で水中花の水芭蕉を確認した。水芭蕉と行者ニンニクの芽吹きも好い感じである。上田代では行きに確認できなかった尾瀬ヶ原湖の燧ヶ岳の水映を撮影することができた。山の鼻〜鳩待峠では、ウスバサイシンやエンレイソウ、イワナシが咲き、花の尾瀬が始まったことを感じながら、重い雪に苦戦して鳩待峠を目指した。

 おしまい。



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2009
尾瀬回遊日記 2007

4日 好天の下で残雪の尾瀬沼を満喫大清水湿原の水芭蕉
 最近は温暖化の影響なのか?尾瀬沼の氷結が薄ので、横断を断念している関係上、GW前半とGW後半に分けて残雪の尾瀬を満喫する様になってしまった。そんな訳で、GW後半は、尾瀬沼ヒュッテに宿泊して、残雪の尾瀬沼を満喫することにした。天気は、「晴れ・曇り・雨!」の予報だ。好天の下での尾瀬沼を期待して午前4:00過ぎに大清水に到着した。
 今日は、行程は尾瀬沼なので、時間にゆとりがある。仮眠を取って、8時過ぎに出発することにした。仮眠の前に、日中は観光客で混雑する大清水湿原も、早朝は流石に人気はないので、少し散策してから仮眠を取ることにした。大清水湿原は、車いすでも散策できるようにワイド木道になっているのが特徴だ。現在は、水芭蕉、ザゼンソウ、リュウキンカ、ショウジョウバカマが最盛期だ。人工的に植えた感じは否めないが、一般的な観光客には、これで”尾瀬の水芭蕉を見てきた”と言うことになるのだろう。ここには、ザゼンソウの白花があるが既に見頃は終わっていた。ちょうど、朝日が水芭蕉を照らしているので好い感じだ。湿原を一周したら車に戻って仮眠を取った。雪解け斜面のショウジョウバカマは最盛期!
 8時に目覚ましが鳴り響き・・・・出発の準備を少しずつ始め、8:30に大清水のゲートを通過した。気温は暖かいので、ゴアのジャケットとフリースは着ずに行動することにした。大清水から一ノ瀬の間の林道脇には、雪の少ない一ノ瀬休憩所大清水の登山口スミレとキザキイチゲが最盛期だ。特にエゾアオイスミレは個体数が多く歩いていて楽しい!今年は雪解けが早いようで、一ノ瀬に近くまで雪の壁面は出ることが無かった。一ノ瀬売店やトイレの周辺および橋の上にもビックリするほど雪が少ない。一ノ瀬で一休みして、とりあえず十二曲がりを目指して出発した。一ノ瀬からは、雪解けが進み、所々で木道や登山道が出ているものの踏み抜きが懸念されるので、スノーシューを履いて歩くことにした。雪解けが進んだ斜面では、ショウジョウバカマが咲き始め厳しい登りを和ませてくれる。石清水の所まで来れば1/3ほど進んだ位だろうか?石清水は冷たく登りで渇いた喉を潤してくれる。
 ここから一番の難所である十二曲がりの登りだ!雪は所々解け始めており、階段部ではスノーシューを履いていても踏み抜きに注意して進んだ。標高が上がるにつれて周囲の眺望が見られるようになる。ここの斜面でもショウジョウバカマが最盛期を迎えている。山側にアンテナが見える所まできたら十二曲がりが終わりだ。ここから三平峠まではダラダラと標高を上げながら進む・・・・、尾瀬ヶ原ほどではないが、雪が重たく疲れる・・・・・。ふと、右を見ると燧ヶ岳が樹木の間から垣間見ることが出来る。先週も見ているのに思わず”おー”を言ってしまうのが「尾瀬の病」に罹っているのを実感する。また、暫く樹林帯の中を歩いて三平峠の看板の所に出る。まだ、看板は2/3は雪の中である。ここで、一休みしてから三平下に降りることにした。

スノーシューを履いているので、雪の斜面を登ります。燧ヶ岳が見えてきました。取水口付近からの眺望膨らみ始めたネコヤナギ









この景色を見ながらの昼食は、最高のおかずです。どの様な状況でも燧ヶ岳は絵になります。
 三平峠から三平下までの斜面では、持参した尻セードで一気に滑降だ!と意気込んだものの、雪が重く進みが悪いため結局歩いて降りることになった。取水口の所は例年程度の雪解けだ。大学生?のグループが尻セードに興味があったらしく話しかけてきた。「こんな尻セードの道具があるんだ。しかも、メイドインフランスだって!!」。”お主ら、まだまだ未熟者だなぁ!尻セードは、残雪の尾瀬の必須アイテムだよ。(^_^)”と言いたいところだが、山の用具屋さんで売っていますよ。良く滑って楽しいですよ。と会話して別れた。凍結した微妙に青空が残る一時が好きです。尾瀬沼と燧ヶ岳と青空・・・・・何時見ても絵になります。雪解けが進み逆さ燧が見られる所で撮影しながら長蔵小屋を目指して沿岸を進んだ。膨らんだネコヤナギに春の訪れを感じる。早稲沢やヒノキ沢の所では、沢沿いに雪解けが進み逆さ燧が美しい!風が収まるのを待つが・・・・なかなか上手く行かないものである。長蔵小屋では数人が小屋の前で昼食中だ。我々は、長蔵小屋の裏のビューポイントで昼食を取ることにした。長蔵小屋で、缶ビールとハーゲンダッツのアイスクリームを購入してビューポイントに向かった。(尾瀬でハーゲンダッツのアイスが食べられるなんて凄い環境になったものだ。)ビューポイントに先客は居なく、大江湿原と三本唐松、尾瀬沼と燧ヶ岳と水映が独り占めだ。こんな光景を見ながらの食事は何とも贅沢だ。
 昼食を済ませるといい時間になったので、尾瀬沼ヒュッテにチェックインする事にした。案内された部屋は、去年もこの時期に利用させて頂いた210だ。2年続けて同室とは不思議な感じがする。部屋に入ると定番のお風呂セット(タオルと歯ブラシ)がり、山小屋と思えない配慮が有難い。この時期は夕食後に夕景の時間となるので、サッサと夕飯を済ませて夕方の撮影タイムとなった。撮影場所は、早稲沢辺りの水映と定番のポイントととで悩んだが、結局長蔵小屋裏の定番ポイントで日の入りを待つことにした。雲が適度にあり、好い感じで流れているので焼けを期待して待った。しかし、徐々に雲が多くなり微妙な焼けとなった。宿に戻るとカウンターに明日の天気予報が掲示されていた。”曇り〜晴れ〜雨”明日も微妙な天気だなぁ。朝焼けも期待できない感じである・・・・。当然夜も雲が多いため、星空の撮影はお預けとなった。(ヒュッテの門限9時は改善して頂きたいなぁ。)

残雪の尾瀬沼夕景ワイド版!コンデジのパノラマで撮ってみました。

5日 霞中の尾瀬沼霞中の朝(真冬のような雰囲気です。)
 朝3時に起床して外を見ると・・・・・・凄い霞だ!朝焼けは期待できないなぁ。とりあえず、布団に戻り4時に出かけることにした。夜明け前の大江湿原は霞に包まれて燧ヶ岳は確認できない。また、時折三本唐松が確認できないほど霞が多い朝となった。結局、霞が多く朝焼けは見られなかった。食事の時間が近づいたのでヒュッテに戻ることにした。食事をしながら外を見ると、霞中に燧ヶ岳の山頂付近が好い感じで現れているではないか・・・・!カメラマンでは無いものの、こんなシャッターチャンスは無い!と言うほど絵になる光景が展開されているが・・・・・、手に持っているのはカメラのレリースではなく、残念なことに”箸”だった。
大江湿原のシンボル! 急いで食事を済ませて、撮影機材を持って長蔵小屋裏のポイントで霞が晴れるのを待った。一番いい条件は逃したが、霞中に包まれながら微かに現れる燧ヶ岳を撮ることが出来た。今日は午後から天候が崩れる予報が出ているので、早々に下山することにした。沿岸を歩いている時も燧ヶ岳が見られないものかと振り返りながら三平下まで歩いた。出た〜っ!燧ヶ岳ありがとう。出てこい!燧ヶ岳〜っ。
 尾瀬沼山荘に着き、燧ヶ岳を拝まずに下山する事になるのかなぁと諦めていたところ・・・・・・・雲が一気に晴れて勇壮な燧ヶ岳が現れた!”尾瀬の神様ありがとう!”沿岸まで戻って雲間の燧ヶ岳を撮影した。燧ヶ岳を堪能した後は思い残すことなく、三平峠〜十二曲がり〜一ノ瀬まで一気に下山してきた。一ノ瀬から大清水間はダラダラと林道を降るだけである。帰りは入山時に確認できなかった林道脇の花々に着目しながら歩いた。スミレは最盛期で、エゾアオイスミレは沢山咲いている。中には白花のエゾアオイスミレも確認できた。(後日、てばまるさんに同定して頂きました。)そんなスミレロードで、一番好きなスミレのヒナスミレが確認できたことが一番の収穫だった。尾瀬のヒナちゃん!可憐です。
 今回は好天の下で尾瀬沼や燧ヶ岳、霞中の大江湿原や燧ヶ岳など素晴らしい光景に出会えた好い尾瀬回遊だった。

 おしまい。

26日 ホワイトアウトの至仏山霞中のブナ霞中の鳩待峠
 2008年の尾瀬初めは、恒例の至仏山登山である。特に去年は、突然の吹雪により中止したことから、今年は是非とも至仏山への登頂を果たすべく車は尾瀬に向かっている。鎌田から戸倉への街道沿いの桜は満開で綺麗だ。GWは津奈木〜鳩待峠間の車両規制は解除されているので、そのまま暗い峠道を走り、鳩待峠には午前3時頃に到着したので明るくなるまでの間に仮眠を取った。
 目覚めると外はうっすらと明るくなっていた。久しぶりに見る”休憩所”と”山荘”に尾瀬のシーズンが始まったことを実感した。天候は曇り、霞が辺りを包んでいる。しかし、昼頃から天候が回復する予報が出ていたので至仏山に挑むこととした。最近は至仏山でのバックカントリースキーヤーやボーダーが本当に多くなったものだ。
 スノーシューを装着して、”いざ出発!”。とりあえず、視界が悪いので、赤いリボン目印のルートに沿って進む。霞中の木々が好い感じである。視界は悪いものの気温は暖かく、スノーシューを履いていても雪の重さを感じる。森林限界近くまで来ると視界は更に悪くなり、ホワイトアウトの状態になってきた。小至仏山直下をトラバースする付近では、風も強くなり慎重に歩みを進めた。トラバースを過ぎれば至仏山の山頂はもうすぐだ。

ビバークの後氷の羽スリル満点!小至仏山直下のトラバース蛇紋岩の花?









近づいて見ると”海老の尻尾”でした。至仏山山頂での記念撮影尻セードでムジナ沢の大滑降!気持ちいいです!









 蛇紋岩に張り付いて生きる植物たちの海老の尻尾は美しいが、厳冬期の厳しさも垣間見ることができる。至仏山山頂は一昨年と比べて積雪量は多く、山頂の石碑の回りまで雪に覆われていた。山頂の視界は悪く、時折突風が吹いており、至仏山荘と安心の灯り記念撮影だけ済ませて早々に下山することにした。下山は、ムジナ沢を経由して山の鼻に降りるルートをとるので、ワル沢や高天原に降りないように気をつけた。天候が良い場合には、常に尾瀬ヶ原を望めるのでルートを間違えることは考えられないが、視界が数メータのホワイトアウトの状態では、ルートを外れるリスクが大きくなる。パーティのメンバーがはぐれないように纏まって歩く。至仏山の地形はある程度把握しているものの、視界1m程度のホワイトアウトでは頼りになるのはコンパスだけである。とりあえず、ムジナ沢〜見本園へは”北”の方向に歩いて行けば間違えなく見本園に降りられることから、北!北!を目際して歩き続けた。山頂付近の蛇紋岩帯を抜けた所で、一時的に風が弱くなったので遅めの昼食を取った。その後は、持参した尻セードで一気に標高を下げる!雪が重いので適度なスピードで丁度良い感じだ!スピードが出すぎた時は、スノーシューを使って調整しながら降りてきた。樹林帯が微かに見えてくる頃には、雪が降り出して来ると同時に視界が回復してきた。しかし、樹林帯の先に尾瀬ヶ原が俯瞰されると、ルートを間違えることなく下山したことに安堵した。
 見本園に到着する頃には雪は雨に変わっていたので、そのまま宿泊する至仏山荘に直行した。今年も至仏山荘の支配人は、オオカワラさんだ。「今年もお世話になります。」と挨拶を済ませて、濡れた衣類や道具を乾燥室に片付けた。夜は雲が多いため、星の撮影は諦め早々に就寝した。

27日〜28日 好天の尾瀬ヶ原を満喫!雲間の至仏山夜明けの至仏山
 日の出前、午前3時に外の様子を見にテラスへ出てみる。星空と至仏山が確認出来るではないか!急いで着替えて三脚とカメラを用意して外へ出ると、時既に遅し・・・、至仏山は雲に隠れてしまっていた。折角準備して出てきたので、お世話になっている至仏山荘の写真をとって部屋に戻った。
 午前四時の日の出前に再び外へ出てみるが、雲が多く朝焼けは期待できないが上田代の撮影ポイントまで散歩してみた。至仏山と燧ヶ岳も拝めそうにないので、朝食の時間には早いが小屋に戻ることにした。今日の宿泊は龍宮小屋なので、朝食後にゆっくりと準備して8時に出発した。
 相変わらず雲が多く、至仏山と燧ヶ岳は隠れているものの、雲の流れが速いので天候の回復が期待された。上田代の大池塘付近に着くと至仏山の雲が晴れ始めてきた!う〜むぅ。何時見ても至仏山の”どっしり”とした山容は美し〜ぃ。雲の切れ間から日射が好い感じである。
 牛首の辺りに付く頃には、燧ヶ岳の雲も晴れ始めてきた。この時期は、木道が雪の下なので尾瀬ヶ原を縦横無尽に歩けるのが最大の楽しみである。そのため普段は見ることができない、上の大堀川や源五郎堀などの新鮮な光景に出会える。下の大堀川でも普段は見られない構図で、至仏山や燧ヶ岳を見ることが出来る。う〜ん、それにしても雪が重い!GW前半でも高架木道の踏み抜き後が目立っているので、雪解けは急速に進んでいるものと推測される。

源五郎堀と燧ヶ岳下の大堀川と燧ヶ岳床流れが痛々しい景鶴山雪解けの龍宮の怪龍宮小屋とアルプスを思わせる燧ヶ岳













地塘の朝下の大堀川の朝
 龍宮小屋が見えてくると、燧ヶ岳の山頂に雲がかかり、アルプスの様な雰囲気で好い感じだ!龍宮小屋の前のベンチでは見慣れた人物が・・・・、shinさんだ!「どうも」と挨拶して、しばしの談笑。その後は、龍宮小屋の食堂で美味しいカレーを頂きながら、小屋主さんを交えて楽しい尾瀬談義。今年の雪解けは、例年以上に早く通常なら5月下旬頃に見られる景鶴山の床流れが既に始まっているそうである。
 食後は小屋主さんからの美味しいコーヒーを頂き、更に尾瀬談義が盛り上がりました。談笑後は、長沢に早咲きの水芭蕉とリュウキカを見に行きました。夕方からは、雲が多くなり夕焼けは見られませんでした。夕食後も雲は晴れることなく星の撮影も断念。朝に期待して早々に就寝した。(しっかりビデオは見ました。(^.^))
 朝3時に起きて外を見ると雲が多く、朝焼けは期待出来ないものの、下の大堀川のビューポイントまで行って見ることにした。shinさんも撮影の準備をしている。気温は昨日よりは冷え込んでいることから、スノーシューを履かずに出てみるが想像以上に雪は柔らかく、下の大堀川に付く頃には疲れてしまった。この時期は、燧ヶ岳の右側から日が出るはずだが?雲が多いため朝焼けは見ることが出来なかった。小屋に戻る途中で雲間から日が出てきそうなので、池塘の前に三脚を据えて日が現れるを待つことにした。時計を見ると食事の時間が近づいていたので急いで小屋に戻ることにした。

沼尻川の春新しい龍宮小屋の看板中田代の雪解け定番の白樺と至仏山









 朝食後は、小屋に荷物をデポして下田代の沼尻川沿いを散策する事にした。普段は見られない風景が面白い。沼尻川のマイナスイオンを沢山浴びて小屋に戻った。その後は、山の鼻を目指して薄曇りの下で淡々と残雪の尾瀬ヶ原を歩き続けた。上田代ではNHKが残雪の尾瀬ヶ原スノーシューハイクの取材をしていた。小心者なので取材されないように離れて歩いていたが、他のメンバーは思いっきり取材されていた。取材された映像は、5/1の「おはよう日本」で放送されていた。自分は映っていないものの、知っている人がTVで放送されて、「残雪の尾瀬で癒されます。」とか「生き返ります!」と言って好天の鳩待峠に帰ってきました。取材中のNHKいるのを見ると、何とも恥ずかしいものである。
 山の鼻で、今年初めての花豆ジェラートを頂いてから鳩待峠を目指して歩くことにした。例年より重い雪と格闘しながら、何とか鳩待峠に到着した。初日はホワイトアウトの悪天候の中で、至仏山への登山を決行し良い経験ができた。尾瀬ヶ原では、好天の下で残雪を満喫できた。2008年の尾瀬としては好いスタートができた。GW後半の尾瀬沼も期待できそうだ。

 おしまい。


2008年4月26日〜28日/残雪の至仏山と残雪の尾瀬ヶ原!
 26日;鳩待峠
(5:00)〜小至仏付近(10:00)〜至仏山山頂(11:20)〜ムジナ沢〜見本園(14:20)
     至仏山荘 泊
 27日;山の鼻
(8:00)〜中田代三又(11:00)〜龍宮小屋(13:10)
 28日;龍宮小屋
(8:00)〜下田代〜竜宮(10:00)〜山の鼻(12:00)〜鳩待峠(14:30)



2008年5月4日〜5日/残雪の尾瀬沼!!
 4日;大清水
(8:30)〜一ノ瀬(9:30)〜三平峠(11:50)〜尾瀬沼〜尾瀬沼ヒュッテ(14:20) 泊
 5日;尾瀬沼ヒュッテ
(7:45)〜三平下(8:45)〜一ノ瀬(11:00)〜大清水(12:00)


回遊写真速報の写真と併せて御覧ください。

2007

写真にカーソールを当てると解説が現れます。